2008.01.14 Monday
「冴えない」
「脳が冴える15の習慣」築山節(著) 著者は脳外科医です。本書は『多くの現代人がいつの間にか脳の力を衰えさせているとき、欠けているのはたいていの場合、ごく基本的な事で、それを回復させる為に必要なのは、気が向いたときに「脳トレ」を行うことよりも、その「ごく基本的な事」を生活に取り入れる事』というような主旨で書かれています。本書の第4章に『家事こそ「脳トレ」。雑用を積極的にこなそう』という章があるんですが、そこの「面倒くささに耐える力」という所に、『脳の基礎体力は、日常的な雑用を面倒くさがらずにかたずける事で鍛えられる。』とありました。脳を鍛える時に重要な部分は脳の司令塔である「前頭葉」で、巷の「脳トレ」はほとんどココを鍛える事に主眼が置かれているモノが多いそうです。「前頭葉」は入ってきた情報を、自分の記憶と組み合わせて、思考や行動を組み立てる場所です。その「前頭葉」の力が無いと、いくら知識があってもそれを使って合理的な事ができないようです。そして、その「脳の司令塔」には持久力が求められていて、例えばサッカーの試合でいうと90分の間で数分だけ司令塔として働くのではなく、90分働き続けなければいけない。司令塔としての持久力を鍛える為に、「面倒くささに耐える」というのが重要だそうです。その辺りについて、自分なりに考えていたときに、「面倒なこと」を極端に嫌う自分に気付きました。
このブログを去年の8月1日に開始しました。最初のタイトルは「ルーチンワーク」です。業務の様々な面を機械やソフトに任せても、人でなければできない事もいろいろあって、自分なりに業務の効率化を日々なんとなく悩んでいた頃にブログを始めました。
業務の効率化を考えることは非常に重要な事です。業務の効率化は経済的な効果を産みます。効率化がお金を産むと表現してもいいかもしれない。人の手間を抑える為にとにかく機械で!という姿勢を数年続けていました。しかし、そこになんとなく自分の中で引っかかりがありました。その引っかかりがいまいち掴めなかった。それで悩んでたような気がする。
その辺りの事について、本書を読んでいてなんとなくわかった事があります。「効率化」という事が「面倒な事をしたくない。」と逃げ回る結果、出て来ているだけじゃないかという事です。私は「業務のIT化」を単に「面倒な事から逃避する為だけ」に叫ぶ事があります。「面倒からの逃避エネルギー」を「業務の効率化」を考える為の「ガソリン」として使って来たような所がある。「業務の効率化」と書かれた旗を振り回して、単に面倒な事から全力で逃げ続けていただけかもしれんな〜と思うようになりました。本当の自分は逃げ回っているだけなのに、表向きには「効率化」という「建設的な事をしてるんだよ。」という振りをしているから、「なんとなく引っかかる」原因になっていたのかもしれない。
その辺りのバランスはとても大切だと思います。「業務の効率化」はかなり重要です。でもそれが面倒なことから逃げる為だけに行われるとバランスを失います。
そういった事に気付くきっかけになったのが、「業務の効率化」を考える上ではジャンルがまったく違うのですが、本書でした。
本書の意図する方向とは全然違う事ですが、今までぼんやりとして「冴えなかった」部分の輪郭が見えてきたように思います。
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次回は、「三日坊主」です。
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〜 本日の「ポジティブに生きる!」 〜
「落ちたら痛いよ。」