情報を取り扱う革命的な変化は、不可視的なモノが多く実感を伴いません。情報を扱う技術が飛躍的に、分刻みで進化していると言われてもパッとしない。しかし例えば、モノを作る会社のすごさはリアルな実感を伴いわかりやすい。「トヨタ」や「ソニー」のすごさはなんとなくわかる。「グーグル」のとてつもなさが理解されにくいのは、「情報を扱う」という不可視な部分がメインだからではないかと勝手に感じます。そのすごさを目を剥いて力説すると、誰もが「とりあえず、トップページが質素過ぎる。」といった感じであしらわれます。
「グーグル革命の衝撃」NHK取材班(著)
ある学術論文が重要かどうかは、「
他の論文から引用されているかどうか。」で判断されます。より多くの論文から引用される程、より重要な論文だとみなされる。また、そうやって重要な論文だと判断されたものから引用されている論文はまた価値が高いと考えられます。
グーグルが数十億にも上るページの検索に用いたアイデアは非常にシンプルで「
多くの良質なページからリンクされているページは、やはり良質なページである」というモノです。それは、グーグルの商標にもなっていて「
PageRank」(ページランク)といいます。先に上げた引用に基づく学術論文の評価と同じような考え方で、リンクを多く受けているページがより良質なページだとする考え方です。
「
リンクを多く受けているページがより良質なページだとする考え方」…言葉にするのは簡単です。あるページからリンクがどれだけ出ているか?を調べるにはそのページを見ればわかります。しかし、「
そのページがどのページからリンクされているか?」それを調べるには世界中の全てのページを見て回るしかありません。グーグルの検索エンジンはこの「
バックリンク」の研究から産まれています。
グーグルは検索連動型の広告で莫大な収益を上げていてます。創業は1998年9月で、現在でもまだ丸10年たってない若い会社です。時価総額、十八兆円という想像もできない額です。
グーグルの社員は自分たちの会社を「
キャンパス」と呼ぶ、天才達の集団のようです。他のIT会社にも1〜2名は「
スーパースター」とよばれるような社員がいるそうですが、グーグルの社員はほとんどの人がそのレベルだそうです。会議で誰かがアイデアを出すと、それを別の人がプログラムコードでペラペラと口頭で述べたり…こういう人達だらけのようです。この天才集団達への福利厚生はとてもすばらしく、うらやましい限りです。キャンパス内での食事、クリーニング、マッサージ、ジム、プール、ビリヤード場…すべて無料で提供されているようです。ジムひとつとっても、普通に会員として利用したら月額何百ドルもするようなレベルの高いモノのようです。また、彼らが使用しているパソコンに不調があっても、伝票を上司へ回して壊れている部品を交換して…などの手続きも一切なしで、すぐに新品が回ってくるようです。会社にとっては、頭脳集団の頭脳がよりよく回転する事に意味があるわけで、このくらい福利厚生は安いモノなのでしょう。
グーグルは「検索」以外にも様々なサービスに取り組んでいます。
「グーグル完全活用本」創藝舎
「グーグル活用本」の中で本書は、アマゾンでの評価が高かったです。しかし、2年位前の本なので今はもっとサービスの幅は広がっています。サービスの進化も速いです。
グーグルは世界中の主要な図書館の蔵書物も次々にデジタル化をしています。図書館や、大学にグーグルのトラックが「ゴォーッ」と入っていってつぎつぎに蔵書を持ち出し、自分たちの所でスキャンしてまた本棚に戻す…。とこういう作業があちこちで繰り返されているようです。
「
増殖する地球上の彪大な情報をすべて整理し尽くす」
このグーグルの創業当時からの理念は、時間さえあればなんとかなるんじゃないかという気がしてます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
次回は、「
クオリア」です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
〜 本日の「ポジティブに生きる!」 〜
「おおー!すげー溶けてるぞー!」